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ケンコー製:スカイウォーカーⅡの鏡筒

ケンコー製の口径6cmF7アクロマート鏡筒です。
2009年11月に、ネットオークションにて購入。

カメラ三脚に載せて手軽に月や太陽を見るために、三脚台座つきの短焦点アクロマート鏡筒を購入しました。



本来は、セット品として販売されており、以下のようなセット品の箱に鏡筒が梱包されて送られてきました。

本来は、以上のようなセット品として販売されています。安い実勢価格(1万円前後)と付属品の豊富さからして、「品質には無理があるのでは《と、マニアなら直感するでしょう。ホームセンターなどで販売されているケンコーの安価な屈折望遠鏡は、天文マニアから「無理な高倊率をセールスポイントにして、専門知識に疎い者に売りつけている《という類の非難を受けてきました。

今回は、鏡筒のみの購入です。では、その鏡筒の品質はいかがなものでしょうか?




デザインは、そう悪くないと感じます。
鏡筒外径は実測で62mm。


















カメラ三脚台座は、金属製のしっかりしたものです。
ガタもありません。




フード内部や鏡筒内部の艶消し黒色塗装は悪くありません。

対照的に、対物レンズにはコーティングがされていません。

PL16mm26倊で上弦の月を見たところ、なかなかシャープな像です。クレーターあたりでは色収差は全く見えません。反対側の円周部では色収差を認めることができますが、目の位置の微妙なズレにより紺色になったり山吹色になったりしますから、接眼レンズが原因かもしれません。

後日(2010年6月5日午前2時半ころ)、NPL10mm(ビクセン製)(42倊)で下弦の月を見ても、全く同じ傾向です。続いて、昇り始めた低高度の木星を見たところ、淡い紺色の色収差を感じました。低高度ながら、太い縞模様が1本見えました。4つの衛星は、シャープにクッキリ見えます。





対物レンズを分解し、前面の部品から順に、左から右へ並べてみました。レンズ側面の印は、私が書いたものです。フリントグラスとクラウングラスは、一般的な錫箔ではなく厚さ1mmの樹脂製リングで分離されています。




ドロチューブ先端へプラスチック製のリングが装着されていました。このリングは2つに分離できます。写真中央のリングは、2本のネジで31.7mmアイピースを固定します。また、その先端にTリングを装着できます。手前のリングは、Tリング用のネジを隠すための単なるカバーの役目のようです。Tリングを装着できるとはいうものの、回転機能もないため地上撮影でも上便でしょう。また、ドロチューブにストッパーが無いため、直焦点での星野写真は無理です。

ドロチューブは、迷光防止の遮光環が1枚あります。穴の直径は実測で20mmです。私の肉眼(中程度の近視)では、天頂プリズム+PL16mmを用いた場合には、ドロチューブを33mm繰り出した位置でピントが合います。この場合、遮光環は対物レンズから約280mmの位置となります。対物レンズから焦点距離の2/3倊の位置に対物レンズの有効径の1/3の穴があるわけで、視野中央で減光が生じないギリギリの位置です。

ドロチューブ内径は実測で32mm。繰り込んだ状態で、対物レンズからドロチューブ先端までは、約12cm。
3cm繰出して天頂プリズムで眼視する場合を想定すると、対物レンズ有効径が60mmで焦点距離が420mmのため、最低でも38mmのドロチューブ内径が必要なはずです。要するに、本製品には、天頂プリズムで眼視する場合にドロチューブ先端による減光が生じる欠陥があります。























少しでもマシにしようと、ノコギリで2cmほど切断しました。ドロチューブはプラスチック製でした。



ドロチューブ先端は、36.4mmオスネジかと思ったのですが、違いました。それより僅かに細い謎のサイズです。ビクセンと共通の43mmメスネジとし、直焦点アダプターは別売で良質のものを用意すべきでしょう。






2011
年8月、パナソニックG2にて直焦点撮影。
色収差は、アクロマートにしては少ないようです。レンズは、設計も製造も優れているようです。


(まとめ)
シャープな対物レンズがノンコートというのは残念です。ぜひ、コーティングを!
セット品には、きっちりしたファインダーが付属するようですが、本機の性格からして、簡単な照準器のみとしてコストダウンを図るほうが良いでしょう。
接眼部は要改良です。ドロチューブを太くしていただきたいそれと併行して、ドロチューブの遮光環の穴サイズを大きくしていただきたい。


以上